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城端
立野原監的壕
立野原監的壕(たてのがはら かんてきごう)は、南砺市の旧福光町から旧城端町の山沿いの立野が原丘陵にあります。戦前の立野が原一帯は、旧陸軍第9師団の演習場となっており、砲兵隊の演習では現在の南砺自動車学校周辺から実弾射撃し、桜ヶ池の西側にある丸山を着弾地としていました。「監的壕」は、砲弾の的中率や性能効果を観察するための施設(コンクリート造りのトーチカのような建物)で、当時の監的壕が2箇所で現存しています。貴重な戦跡として、2014年に丸山監的壕と目玉監的壕の2つを「立野原監的壕」の名称で南砺市指定文化財(史跡)に指定されました。
丸山監的壕(まるやま かんてきごう)は、砲弾の着弾地点・丸山の近くに造られた監的壕です。桜ヶ池の駐車場からアスファルト舗装の車道(県道292号線)を是ヶ谷ダム(桜ヶ池の西にあるため池)方向へ、駐車場から道なりに歩いて約5分の右手(山側)に円形のコンクリート構造物があります。また解説板もあるので見つけ易いです。丸山監的壕は、立野ヶ原陸軍演習場としては最後に造られた構造物とされ、昭和10年代(1935年~1944年)に建造されたようです。一説によれば、昭和12年頃(1937年)建造とも云われています。所在地は南砺市立野原東丸山1769-6 らしいです。Google Map的には「36.502176, 136.866015(36°30'07.8"N 136°51'57.6"E)」です。地上式コンクリート製円筒形ドーム屋根の監的壕です。内部には内壁にコンクリートのベンチや肘掛があります。建物の外径は 6.0メートル、内径は 4.0メートル、高さは 3.87メートルです。外壁コンクリートの厚さは1メートルとなっています。
丸山監的壕(写真:2015年4月16日11時30分撮影)
丸山監的壕の鉄扉
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丸山監的壕の銃眼
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戦後70年を経過していますが、外壁のコンクリートに多少のヒビやクズレが見られる程度で保存状態は良いです。道路から階段が付けられ、監的壕の周りを一周できます。裏側に鉄製の扉がありますが、鎖と南京錠で閉められています。なので内部には入れません。横に細長く造られている銃眼から中を覗くだけ・・・。監的壕ということで、まわりの見晴らしを期待したいところですが、年月が経っているので山は山になり、周囲は樹木で覆われています。着弾を観察すべき北側の視界は杉木立となっており、わずかに東側の桜が池方向が春先や秋の紅葉のあとに眺められる程度です。つまり夏だと緑で周辺の展望は遮られます。冬場は積雪です。
丸山監的壕 地図
目玉監的壕(めだま かんてきごう、めだま かんてっこう)は、丸山監的壕から直線距離で北西へ900メートル(道なりだと約2km)の場所にあります。所在地は南砺市立野原西3300 らしいです。Google Map的には「36.509021, 136.863048(36°30'32.5"N 136°51'47.0"E)」です。立野が原の農地の一角にあり、主要な車道からの案内板等は無く、確実に場所が判っていないと辿り着くのは困難です。「目玉監的壕」という名称は通称で、遠くから見ると球状コンクリートの形をしているのでこのように呼ばれているようです。
目玉監的壕(写真:2015年4月16日12時06分撮影)
目玉監的壕の導入路入口
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目玉監的壕の銃眼
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コンクリート内部
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ブルーシートを被せて保存
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目玉(写真:2015年4月16日12時12分撮影)
この目玉監的壕は半地下式コンクリート製です。大きさは、外径 4.2メートル、内径 2.27メートルm、高さ 3.95メートル、導入路の長さ 4.59メートルです。周囲の農地より小高い場所にあり、北側に球状のコンクリート構造物があり、球状構造物から地下式の通路が南側へ伸び、開口部(入口)があります。建築年代は、昭和3年(1989年)頃とされています。最近までは管理が緩く立ち入り可能だったようですが、文化財登録後?は危険防止のため内部への進入は出来なくなりました。コンクリートの外壁は崩落してるし、保存状態としては悪いです。100年以上雨ざらしなのでこうなるのは仕方ありませんね。コンクリート表面が剥がれ、内部が見えてまして、大きな石がゴロゴロ使われています。鉄筋は使ってないようです。
目玉監的壕 地図
- 丸山監的壕:南砺市立野原東丸山1769-6(旧城端町)
- 目玉監的壕:南砺市立野原西3300(旧福光町)
- 丸山(着弾地)
- 桜が池
- 飛野(射撃地点):現在の南砺自動車学校付近、地図外(桜が池から北へ5km)
また、現在の南砺市立城端中学校の周辺には立野ヶ原陸軍演習場関連の建物が55棟の建物があったと伝えられ、中学校の敷地内に「陸軍演習場立野ヶ原廠舎跡」と書かれた石碑が建てられています。
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